往診と訪問診療の違いについて

看護師は医師に同行して、往診や訪問診療を補助します。往診と訪問診療は在宅医療の一環ですが、システムが異なる点は把握しておきましょう。まず往診とは、患者の緊急要請に応え、医師と看護師が患者の自宅を訪れて、診療を行うことです。かかりつけ医の医師が往診しますが、夜間に要請を受けることが多く、往診に備えて医療施設で待機することになります。

一方の訪問診療とは、通院が困難な患者に対し、医師や看護師が自宅を訪れて診療することです。定期的に自宅を訪れることになるので、患者の病気や症状を経過観察できます。病気や症状によって訪問診療の回数は異なりますが、月に1回から2回程度が一般的でしょう。

往診と訪問診療の大きな違いは、患者の自宅を訪れる時間帯です。往診は昼夜を問わず、早朝や深夜に呼ばれることもありますが、要請がなければ患者の自宅を訪れることはなく、医療施設での待機になります。訪問診療の場合には、すでに診療の日にちや時間が決まっているので、スケジュール通りに患者の自宅を訪問しなくてはいけません。

看護師の仕事内容において、往診と訪問診療では大きな違いはないでしょう。医師の指示に従って、血圧や体温を測定したり、服薬の指導を行ったり、自宅で付き添う家族から患者の様子を聞き取ったりします。患者が高齢者の場合は、介護士やケアマネジャーなどと協力することも多いです。また、往診がきっかけとなり、訪問診療に移行するケースもあります。