看護師はさまざまな業務を担う

通院が困難な患者の自宅に直接訪問して、診療を行う在宅医療では、医師だけではなく看護師が一緒に同行するケースも増えています。訪問時の看護師の役割は、医師の診療補助がメインです。患者の体温や血圧、脈拍などのバイタルチェックをしたり、採血や心電図検査をしたり、カテーテルや胃ろう交換を手伝ったりします。

また、患者や家族とコミュニケーションを図ることも、看護師の重要な役割の1つです。患者自身や家族からの相談に対して、気持ちに寄り添いながら親身になって話を聞きます。看護師の視点でアドバイスできることについては、積極的に情報を提供していくようにしましょう。

在宅医療に従事する看護師は、診療の同行以外にも数多くの業務を担います。例えば、患者の療養生活を支えているヘルパーやケアマネジャー、理学療法士、作業療法士と、密に連携するためのサポートも、看護師の大切な仕事です。患者の連絡ノートへの記録、電話やメールによる連絡などで情報を共有し、患者の療養生活を整えたり、問題点の解消へとつなげたりします。

その他にも、在宅医療では必要な物品の手配や訪問時の運転、退院調整会議への参加、訪問診療であれば日にちや時間の調整なども行うのです。在宅医療における看護師の役割は、医師がスムーズに診療できる環境を整えるだけではありません。患者と家族が安心して、療養生活を続けられるよう支援するチーム医療の一員として、欠かすことのできない存在なのです。